私たちが知っているドイツ人は、日本に住んでいるドイツ人もしくはテレビやネットで知るドイツ人だ。それはほんの表面的なドイツ人で、ドイツに住むと中身の方をもっと知ることができる。ドイツ語をできるようになると、ドイツのことをもっと知ることができる。私はドイツ人にはモラルが低い人が多いと思う。それは個人主義だからとか、新自由主義だから、とかそんな難しい話のレベルではない。ただ単にドイツ人はモラルが低い人が多い。しかしそれは自分の身を置く環境に限る。

たとえばギムナジウムを終了してAbiturも終えて大学へ入った人と、ギムナジウムには進まずにRealschule、 Oberschuleと言われる学校を卒業した人を比べるとそこには職業的な格差だけでなく、人間の意識レベルの格差もある。要はドイツの大学は勉強ができないと入学できないし、大学で勉強を頑張らないと卒業すらできない。勉強ができないというのは数学が難しいとか化学が苦手とかそういうレベルの話ではなくて、授業中に静かに座って先生の話を聞くことができない人たちだ。これはドイツだけじゃなく、ヨーロッパ全土でよく聞く話だ。小学生の頃から留年があるので、20歳になって高校生をしている人もいる。とりあえず何歳になってでも良いから高校くらいは卒業して英語や数学の良い点数と単位がないと就職が難しくなるのはどこも共通している。
ドイツにはAusbildungといって、学歴を持たない人たちも通える職業訓練学校のシステムもちゃんとしている。しかし彼らの年収と大卒者の年収には大きな差がある。

学校で勉強を頑張らないと良い未来が遠ざかる、(この場合良い未来の定義は一般的に言う、仕事に困ることがない安定した人生)ということを認識している子供は少ないと思う。実際に良い未来じゃなくてもいい、苦痛を感じてまで勉強をしたくないとみんな思うだろう。けれど実際はどうだろうか。搾取する人、搾取される人の構図は低学歴が多い集団でよくみられる。こんなことは言いたくないが、頭が悪いと犯罪まがいな営業をしてもバレないと過信する。リスクをリスクとして認識できないのだ。そういう人は小学生の頃から学校で勉強できなかった人がほとんどなのだ。

私は特別に大学を崇拝しているわけでもない。大卒者だからすごいと思わない。けれど一緒に仕事をする相手が信頼できるような経歴や過去を一つでも持っていないと、この人を信用しても大丈夫だろうか?と不安を覚え、そして私の実体験を一般論に当てはめるなら、だいたいの低学歴のドイツ人は嘘つきが多くトラブルになる。そのトラブルは、本当に幼稚で呆れるレベルだ。
ここまで書いたことはほとんどが私の実体験と実話に基づいていて、なんだかドイツ人の悪口のようになってしまったが、実際にドイツに住んでいると感じるドイツ人のモラルの低さには閉口する。

どんな時にドイツ人はモラルが低いと感じるのか?というのは、また明日詳しく書いていく。